傷口はそっとしておこう!抜歯後のドライソケットに要注意!
富子
抜歯した後で痛みが続くって患者さんが来たんですけど、特に虫歯とか炎症はなくて綺麗なんですよね。これってどういうことなんでしょうか?
パン子
ドライソケットじゃない? 抜歯後の骨が見えてなかった?
富子
あ、見えてました。確か、露出した骨が直接刺激されるせいで痛みが出るんですよね?
パン子
そうよ。次の歯が無い親知らずの抜歯後に良くなるわね。なかなか治らなくて痛いのよね…。
富子
怖いですねえ……どうすれば防げるでしょう?
ドライソケットになってしまう原因
富男
ドライソケットっていうのは抜歯した歯の奥にある骨が露出したままになるのが原因なんだけど、本来なら抜歯した後に綺麗に塞がるものなんだ。
富子
え?どうやって塞がるんですか?
富男
血餅っていってね。抜歯後に出た血が固まってできたかさぶたの柔らかい版ってところかな。それができて穴が塞がった後に、ゆっくりときちんとした歯茎の粘膜ができて治るんだ。
富子
ということは、血餅がきちんと作られないことがドライソケットの原因ということですか?
富男
そういうことだね。血餅ができないのには色々な原因があるよ。
血餅がきちんと作られない理由
富子
口をゆすぎすぎるとかですか?
富男
口の中に血の味がするとどうしても気になってしまうからね。傷口を舐めたり、血を吸ってしまったり、口をゆすいでしまったり、少しくらいなら仕方ないけど何度もやっていると血餅ができなくなってしまうんだ。
富子
ああ、確かによくやっちゃいますよね。
富男
あとは、意識していても傷口のある側で固い食べ物を噛みすぎるとかね。血餅が剥がれてしまったり、傷口がひろがったりして、上手くふさがらなくなってしまうんだよ。
ドライソケットは後から痛み出す
富子
なるほど。そういうことだったんですね。でも、抜歯した後は普通に痛いじゃないですか? 抜歯の痛みとドライソケットの痛みって何が違うんですか?
富男
抜歯の痛みは数日で引くよね?でも、ドライソケットの痛みは数日経ってからじわじわと強くなるんだ。抜歯後数日は傷口が血餅や血液で覆われているから骨は傷まないのだけれど、出血が完全に止まってしまったら骨が完全に露出してしまうんだ。
富子
そうか。抜歯は出血している間は痛いけど、出血が止まってから痛くなるのがドライソケットっていうことですね。
富男
そして、ドライソケットの痛みはどんどん強くなって、治療しなければ一週間以上痛むんだ。
富子
そのまま放っておくとどうなるんですか?
富男
傷口に細菌が入ってしまうのが怖いね。そうすると骨が炎症を起こしてしまい、それが更に悪化すると骨が壊死してしまうんだ。炎症が骨だけではなく、頬や顎にまで広がると大変なことになる。
富子
うわ。ドライソケットが起こったらすぐに歯医者にいかなければいけませんね。
まとめ
ドライソケットは抜歯後の傷口が塞がらずに骨が露出したままになってしまう症状です。
抜歯後に傷口に出来る血餅が剥がれないようにするのが大切で、過剰に口をゆすいだり、傷口を気にし過ぎたりしないようにしましょう。
放っておくと、傷口に細菌が入って炎症が広がってしまうことがあるので要注意です。